ダイバーシティ&インクルージョン

ダイバーシティ&インクルージョンの実現に対する基本的な考え方

企業にとって、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)への取り組みは、さらに重要度を増しています。2023年4月にはダイバーシティ&インクルージョン推進課を新設し、性別や年齢、国籍、障がいの有無に加え、職務経験、スキル、価値観など、社員の個性やアイデンティティを活かした当社らしいダイバーシティマネジメントを目指します。

人権に対する基本的な考え方

当社は、グローバルに事業を展開する企業として、人権の尊重を最も重要な事項の一つと考え、「大気社行動規範」において、基本的人権を尊重し、差別的取り扱いやハラスメントなどの個人の尊厳を損なう行為を行わないことを規定しています。「世界人権宣言」や「労働における基本原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際規範を尊重し、社員やお取引先も含め、人権に配慮した事業活動を行うよう努めています。
当社の人権に関する考え方を社員に周知するとともに、内部監査や内部通報窓口を通じて人権の尊重に反する行為を把握し、適切な対応を迅速に取るなどの取り組みを進めています。

なお、2024年5月には、当社グループのすべての役員および社員(契約社員・派遣社員・出向社員などを含む当社グループの業務に従事するすべての社員)を対象とした、大気社グループ人権方針を定めています。

ハラスメント対策

職場におけるハラスメント(セクシュアル・マタニティ・パワー・その他)対策として、管理本部内に専用の相談窓口を設けています。
相談者はハラスメント防止規程により保護され、窓口では相談を受け次第、解決に向け迅速な対応を実施しています。また、コンプライアンス部と顧問弁護士事務所に内部通報窓口を設けており、ハラスメントに関する通報を受けた場合は内部通報規定に則って適正に対応します。
ハラスメント防止に向けた取り組みとしては、通報窓口に寄せられた内容などを踏まえた動画を作成し、問題行為の気づきと相談・通報の重要性を周知するとともに、研修において「対話の必要性」や「予防と解決の重要性」などについて啓発活動を実施しています。

女性社員の活躍推進

D&Iへの取り組みの一つとして、当社は女性社員の活躍を推進しています。
女性活躍推進法に基づく一般事業主計画は2022年4月に行動計画を刷新し、管理職に占める女性労働者の割合について2021年建設業平均値をベンチマークとして3%以上とする目標を掲げ、2023年4月時点で3.3%を達成しました。
今後、女性社員の積極的採用と育成を行うとともに、全ての社員が活躍し、個性と能力を十分に発揮できる環境の整備を進め、社員にとって魅力ある会社づくりに努めていきます。

厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」に登録しています。

次世代育成の支援対策推進

社員にとって、仕事は暮らしを支え生きがいや喜びをもたらすものですが、同時に家族や友人・趣味にかける時間も生活に欠かせないものであり、その調和がとれた状態でこそ、人生の生きがいや喜びは倍増すると考えます。この仕事と生活の調和は、当社の活力や競争力の源泉である有能な人材の確保・育成・定着の可能性を高めるものと考えます。
社員が、仕事と私生活を両立させることができ、社員全員が働きやすい環境をつくることによって、すべての社員がその能力を十分に発揮できるようにするため、行動計画を策定しています。

両立支援のひろば「一般事業主行動計画公表サイト」に登録しています。

障がい者の活躍推進

当社では、障がい者の活躍推進として、国内主要事業所での雇用に加え、山梨県甲府市の「指定障がい者福祉サービス事業所」と連携し、リモート雇用に取り組んでいます。当社で直接雇用し、勤務場所の提供と支援を「指定障がい者福祉サービス事業所」で行うことで、安心して働ける環境が実現しています。

シニア社員の活躍推進

当社では、年齢を問わず多様な人材の活躍を推進しています。2023年4月に定年年齢を60歳から65歳に延長し、同時に60歳から64歳の間で選択定年制を導入しました。個人のライフプランや健康状態に合わせて定年年齢を自ら選択できる制度にすることで、やりがいと安心感を持って働くことができる環境の整備をしています。

ワークライフバランス支援

社員がいきいきと仕事と暮らしの両立を図っていくためには、その生活形態に合わせて活用できる福利厚生制度の充実と不測の事態が生じても経済的な基盤を確保し、安心して暮らせる環境を整えることが必要と考えています。

さまざまな休暇・休業制度
介護や育児支援をはじめ、さまざまな働き方や不測の事態に休暇や休業の取り方が進められるように、10年有給休暇、時間有給、介護・育児休業、介護・看護休暇制度などの法定休暇・休業以上の充実を図ることにより、社員とその家族のためのワークライフバランスの向上を目指しています。
休業補償制度
  • 2019年10月に団体長期障害所得補償保険(GLTD)制度を導入しました。
  • 万一就労不能となった場合にもこの制度が適用されることにより、収入確保の道が断たれることが無く、社員とその家族が安心して暮らせることを目的として制度を導入しました。
  • 治療のため長期休職する65歳以下の正社員と無期転換契約社員に対し標準報酬月額の80%を補償します。保険料を会社が全額負担し、社員が就労時と同等レベルの手取給与を確保しながら療養に専念できる環境を整え、早期の就労復帰を支援します。

グローバル人事制度

海外市場では、経済発展と環境保全を両立させ持続性ある社会を維持発展させるため、多様な国において、革新的な技術を急速に伝播させるグローバル化と独自色ある現地資本がけん引するローカル化が、同時に進展していくものと考えられます。
こうした世の中にあって、産業分野ごとに高度化するグローバルなニーズと国・地域の個別ニーズに呼応していくため、海外19の国と地域に所在する当社グループ企業の機能や役割を明確にし、意識決定を迅速・的確に行い、その組織運営効率と統治力をさらに高めていきます。
医療・食品・電子機器・輸送機器・インフラ施設などの分野で培った環境技術の開発力・設計力・プロジェクトマネジメント力といったエンジニアリング力の向上に留まることなく、財務力・営業力・調達力といった能力が発揮できるように、人材を横断的かつ柔軟に活用できる組織機能に改めていきます。
また、現地採用社員だけでなく、海外で活躍したい社員に求められる役割と能力を見直し、各人の意欲と能力を高める啓蒙と育成活動に注力していきます。

組織風土改善委員会

「組織風土改善委員会」は、全社員が相互信頼・協調の精神のもと、物質面、精神面での働きがいを感じられる組織風土をつくることを目的として、社長直下の活動組織体として1975年に発足しました。
この委員会には地区ごとに事業部や部署を横断した立場の異なる社員が参加し、職場環境の改善・制度の改正のための調査・検討・提案活動に加え、広く社員や家族の交流を図るさまざまなレクリエーションイベントや文化・スポーツ同好会や部門を越えた社員間交流会、地域社会イベント・ボランティア活動への参加などを関係部門とも協力しながら立案し実施しています。会社はこうした社員の思いが起点となる活動が活発に行われるようことを奨励し、一定の予算をつけながら活動支援を行っています。
就業規則など社員の処遇にかかわる制度の重要な変更については、立案担当部門から委員会に意見を求めるなど、社員の意見や思いを積極的に取り入れる活動に取り組んでいます。
当社には創業以来労働組合が存在しないため、法的に求められる労使協議においては、全社風土改善委員長が社員の過半数を代表する労働者代表としての役割を担います。