ダイバーシティ&インクルージョン

ダイバーシティ&インクルージョンの実現に対する基本的な考え方

AsIs
「D&Iの推進から、挑戦し革新を生み出す会社へ」の社長メッセージのもと、70年以上にわたるグローバル展開で培った「当社独自の多様性」を活かしながら、職場環境の改善に取り組んでいます。また、女性社員・シニア社員の活躍推進、障害者雇用推進、仕事と育児・介護の両立支援等のワークライフバランスの支援を行うことで、働きやすさや働く意欲を向上させる取り組みを行っています。
ToBe
次の100年後を見据えた場合、「D&Iの推進」が不可欠であると考えます。年代・ジェンダー・国籍・障害などの他に、キャリア・スキル・価値観・ライフスタイルなど外見で識別ができないものも尊重し、認め合い、それぞれの良いところを活かす取り組みを力強く推進し、革新(イノベーション)を生み出す新たな価値を創出する風土づくりを目指します。
人材の確保や社内環境の整備
社員年齢構成の将来予測と長期的な事業計画に基づいた採用計画を作成し、積極的な採用活動を行っています。一方、人材の流出を抑制するため当社離職者の就業環境や離職理由を把握・分析し、社内環境の整備等の施策に取り組んでいます。また、日本への留学生を中心とした新卒・キャリア採用に加え、海外拠点から日本への出向・短期派遣等の人的交流を行い、日本国内組織のグローバル化への対応強化を進めています。

人権に対する基本的な考え方

当社は、グローバルに事業を展開する企業として、人権の尊重を最も重要な事項の一つと考え、「大気社行動規範」において、基本的人権を尊重し、差別的取り扱いやハラスメントなどの個人の尊厳を損なう行為を行わないことを規定しています。「世界人権宣言」や「労働における基本原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」「ビジネスと人権に関する指導原則」などの国際規範を尊重し、社員やお取引先も含め、人権に配慮した事業活動を行うよう努めています。
当社の人権に関する考え方を社員に周知するとともに、内部監査や内部通報窓口を通じて人権の尊重に反する行為を把握し、適切な対応を迅速に取るなどの取り組みを進めています。

なお、2024年5月には、当社グループのすべての役員および社員(契約社員・派遣社員・出向社員などを含む当社グループの業務に従事するすべての社員)を対象とした、大気社グループ人権方針を定めています。

今後は、役職員の人権に対する意識醸成を進めるとともに、人権デュー・ディリジェンスを実施する体制の整備に着手し、国際規範に照らして企業に求められる人権への対応に積極的に取り組んでいきます。

ハラスメント対策

職場におけるハラスメント(セクシュアル・マタニティ・パワー・その他)対策として、管理本部内に専用の相談窓口を設けています。
相談者はハラスメント防止規程により保護され、窓口では相談を受け次第、解決に向け迅速な対応を実施しています。また、コンプライアンス部と顧問弁護士事務所に内部通報窓口を設けており、ハラスメントに関する通報を受けた場合は内部通報規定に則って適正に対応します。
ハラスメント防止に向けた取り組みとしては、通報窓口に寄せられた内容などを踏まえた動画を作成し、問題行為の気づきと相談・通報の重要性を周知するとともに、研修において「対話の必要性」や「予防と解決の重要性」などについて啓発活動を実施しています。

女性社員の活躍推進

D&Iへの取り組みの一つとして、女性社員の活躍を推進しています。女性活躍推進法に基づく一般事業主計画は2022年4月に行動計画を刷新し、管理職に占める女性労働者の割合について、2021年建設業平均値をベンチマークとして3%以上とする目標を掲げ、2023年4月時点で3.3%を達成しました。女性管理職の確実な登用のため、女性社員だけではなくその上司も対象とした女性管理職候補者育成研修を予定しており、管理職を目指せる環境を内外から整えていきます。
女性役員については、2023年度株主総会にて社外取締役・社外監査役として2名が就任しております。女性役員との交流や支援を通して女性社員の意欲を一層高め、女性管理職比率の増加につなげ、将来的には社内からの女性取締役輩出を目指します。

厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」に登録しています。

次世代育成の支援対策推進

社員にとって、仕事は暮らしを支え生きがいや喜びをもたらすものですが、同時に家族や友人・趣味にかける時間も生活に欠かせないものであり、その調和がとれた状態でこそ、人生の生きがいや喜びは倍増すると考えます。この仕事と生活の調和は、当社の活力や競争力の源泉である有能な人材の確保・育成・定着の可能性を高めるものと考えます。
社員が、仕事と私生活を両立させることができ、社員全員が働きやすい環境をつくることによって、すべての社員がその能力を十分に発揮できるようにするため、行動計画を策定しています。

両立支援のひろば「一般事業主行動計画公表サイト」に登録しています。

仕事と育児の両立を支援する制度

社員が仕事と育児を両立できる働きやすい環境を整え、すべての社員が能力を発揮できるよう、当社では行動計画の一環として、女性社員はもちろんのこと、男性社員に対しても育休の取得推進を図っています。男性の育児休業取得については、法律で定められた制度以外にも配偶者出産休暇を導入し、また出生時育児休業と育児休業には直近10年分の有給休暇残余日数分を充当できる独自の制度を導入しています。取得期間に関しては、パートナーとの良好な関係性の構築や家族のウェルビーイング向上を見据え、14日以上の取得を目標にしています。

男性の育児参画と職場の変化
2023年度の当社の男性の育児休業取得率は、配偶者出産休暇取得率は77.1%、育児休業取得率は58.3%と、昨年度よりも大幅に増加し、政府が掲げる「2025年までに男性育休取得率50%」という目標を前倒しで達成することができました。この結果は、社員の職場における育児休暇・休業取得への理解が深まったことによるものと捉えています。今後も、社員の誰もが育児に参加できる環境の整備や充実を図るとともに、働きやすい職場づくりを目指していきます。

障がい者の活躍推進

当社では、障がい者の活躍推進として、国内主要事業所での雇用に加え、山梨県甲府市の「指定障がい者福祉サービス事業所」と連携し、リモート雇用に取り組んでいます。当社で直接雇用し、勤務場所の提供と支援を「指定障がい者福祉サービス事業所」で行うことで、安心して働ける環境が実現しています。

シニア社員の活躍推進

当社では、年齢を問わず多様な人材の活躍を推進しています。2023年4月に定年年齢を60歳から65歳に延長し、同時に60歳から64歳の間で選択定年制を導入しました。個人のライフプランや健康状態に合わせて定年年齢を自ら選択できる制度にすることで、やりがいと安心感を持って働くことができる環境の整備をしています。

ワークライフバランス支援

社員がいきいきと仕事と暮らしの両立を図っていくためには、その生活形態に合わせて活用できる福利厚生制度の充実と不測の事態が生じても経済的な基盤を確保し、安心して暮らせる環境を整えることが必要と考えています。

さまざまな休暇・休業制度
介護や育児支援をはじめ、さまざまな働き方や不測の事態に休暇や休業の取り方が進められるように、10年有給休暇、時間有給、介護・育児休業、介護・看護休暇制度などの法定休暇・休業以上の充実を図ることにより、社員とその家族のためのワークライフバランスの向上を目指しています。
休業補償制度
  • 2019年10月に団体長期障害所得補償保険(GLTD)制度を導入しました。
  • 万一就労不能となった場合にもこの制度が適用されることにより、収入確保の道が断たれることが無く、社員とその家族が安心して暮らせることを目的として制度を導入しました。
  • 治療のため長期休職する65歳以下の正社員と無期転換契約社員に対し標準報酬月額の80%を補償します。保険料を会社が全額負担し、社員が就労時と同等レベルの手取給与を確保しながら療養に専念できる環境を整え、早期の就労復帰を支援します。
仕事と介護の両立を支援する制度
当社では、社員の仕事と介護の両立を支援する各種制度を導入しています。介護休業補償保険を全額会社負担で付保し、介護休業を取得する社員に給与の約8割を補償する制度や、法律で定められた範囲内での介護休暇取得時に直近10年分の有給休暇残余日数分を充当する制度など、法定を上回る制度を設けています。加えて将来の介護に向けた事前準備の重要性や介護に直面した際の両立ポイントなど、研修を通じて社内への啓蒙活動を実施しています。

グローバル人事制度

当社は現在、19の国と地域に28社の海外連結子会社を有しており、2024年6月30日時点の社員数は、国内単体1,985人に対して海外社員数は3,157人と世界で活躍する社員が国内に比べて大きく上回っています。こうしたグローバル化の流れに沿って、ナショナルスタッフの経営力・技術力の強化を図り、営業活動から設計・調達・工事活動をはじめ、顧客サービスに至る一連の対応を現地で完結できる一貫体制の実現を目指しています。
また経営体制の現地化への移行を段階的に進めており、2021年に米国、2024年にインドネシアの現地法人社長にナショナルスタッフを任命しています。すでに持っている知見と業務知識・スキルを土台にして、ナショナルスタッフが、自ら立案する事業戦略に基づく組織経営の実践を目指しています。このために的確な判断と実務成果が創出できるよう、長期的・計画的育成を進めていきます。
そして海外事業で確実な利益を確保し持続的な企業経営を行っていくには、海外事業に関与する社内の体制や業務の機能と効率を高めていく必要があります。今後はさまざまな階層の人材育成を順次進め、従来「点」や「線」に限定されてきた活動を、地域全体の「面」での活動として子会社間の交流を促進することにより、社員意識の向上と組織運営の効率化を推進していきます。
ナショナルスタッフだけでなく、日本人社員に求められる役割と能力を見直し、各人の海外で活躍するための意欲と能力を高める啓蒙と育成活動に注力していきます。