健康経営の推進
健康経営宣言
当社では社是・創業理念である「顧客第一」とともに、企業経営の目的として「永続的に成長し、社会に貢献する会社づくり」と「魅力ある会社づくり」との企業理念を1970年に制定しています。
効果的なさまざまな健康施策を継続的に実施し、当社の社員一人一人が健全な心と体を保つとともにその意欲を充実させ、個人の創造性・活動性を高めていきます。このことにより、企業組織全体の活力を維持・増進させ、この企業理念にある「永続的に成長し、社会に貢献できる会社づくり」と社員とその家族にとって「魅力ある会社づくり」を進めていきます。
代表取締役社長
加藤 考二
「健康経営優良法人2022 大規模法人部門(ホワイト500)」に認定されています。
健康経営優良法人認定制度とは、経済産業省と日本健康会議が共同で「『社員の健康管理』を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」を顕彰する制度です。さらに、健康経営優良法人に認定された企業2,299社 のうち上位500社は、特に優良な健康経営を実践している法人として認定されています。
当社は2021年に空調設備工事業界で初めて「ホワイト500」に認定されて以来、2年連続で認定されています。

社員の健康推進体制
社長を健康管理責任者とし、取締役専務執行役員・管理本部長を健康施策推進責任者に任命しています。本社人事部が健康経営施策を推進する中心的な機能を有し、統括産業医・各地区産業医・保健師・各地区衛生委員会・当社グループ健康保険組合・組織風土改善委員会とともに、健康経営宣言に掲げた社員の健全な心と体の保持、意欲の充実を図っていくため、さまざまな社員の健康施策の立案・実施とともに、その施策効果の検証と継続的な改善を行っていきます。

統括産業医
統括産業医は、各地区の衛生委員会と一体的に活動を行っている地区産業医の全社的な機能統一を図りながら連携活動を行うとともに、当社の業態・社員の勤務形態の特性などから表出する当社社員に特徴的な健康課題を見極め、それらの健康課題の改善のための医学的見地から経営層や社内の健康施策推進機能を担う各機能部門へ提言を行うとともに、定点モニタリングを行っています。
衛生委員会
当社では全国7本支店に安全衛生委員会を組織し、社員の健康の保持増進に対する基本対策と実施計画の作成とその実施を目的に、主に現場安全を協議する安全委員会とは別個の組織体として、衛生委員会を運営しています。
本社議長に取締役専務執行役員・管理本部長を置き、社員の健康管理・維持増進に向けた指針を策定しています。また本社に配置された統括産業医との連携のもと、全社的な医学的な見地からの健康管理指針・疾病予防など社員の健康管理全般についての提言を行っています。毎月一度衛生委員会を各地区にて開催し、二次健診を含む健診受診促進、タイムリーな課題や話題を取り上げ産業医による講話などを行っています。また地区産業医は、心身不調者や労働過多の社員に対する直接面談による健康相談と健康診断結果の要所見者に医学的な指導や特定保健指導の勧奨などを行っています。

グループ健康保険組合
当社グループ子会社4社を含む職員とその家族を被保険者・被扶養者として、独立の健康保険組合を2014年に設立しています。
当健康保険組合に常勤保健師を配置し、管理本部・人事部と連携のもと、外部の医療機関や医療サービス提供機関を活用しながら、その家族の健全な心と体の維持・増進のために健康調査やデータ分析を行い、さまざまな健康施策を提言し実施しています。具体的には、健康診断・特定保健指導・健康相談窓口運用・生活習慣病予防活動(禁煙外来・血圧測定励行促進・ウエアラブル端末活用による健康指標モニタリング)などの健康施策を実施中です。
組織風土改善委員会
組織風土改善委員会の委員は各支店にて社員から職場環境や就労状況について、地区に所属する社員代表としてさまざまな意見や情報を収集し、地区衛生委員会に提言を行っています。
社員の心身の健康増進に向けた重点施策
当社業態と社員の勤務形態から現れる特徴的な健康課題に着目し、その改善に向けて特に重点的な施策を実施しています。
社員の健全な心と体の維持・増進のための当社の健康課題として、下記の4つの課題を取り上げています。この課題の予防と改善のための具体的な施策の策定とその効果検証指標を定め、その費用対効果も含めて継続的な健康推進活動を実施していきます。
- 長時間労働対策
- 生活習慣の改善
- メンタルヘルスの向上
- ワークライフバランス支援
健康経営戦略マップ
長時間労働対策
過重労働は医学的にも心身の不調を訴える大きな原因の一つであるとされており、当社においてもこの状況の改善が求められています。
目標 | 建設業界には2024年度に時間外労働月45時間以内とすることが法的に求められており、この実現を一つの目標として、長時間労働の低減を目指しています。 |
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- 長時間労働対策会議
- 当社における働き方改革の最重要課題の一つとして、長時間労働対策を挙げています。
取締役専務執行役員・経営企画本部長を議長とし経営企画本部が全社的な施策推進の責任部署として、2017年に同会議を立ち上げ各事業部本部の幹部社員が会議メンバーとして対策案を策定し、その実施と効果の検証を行っています。
- 現場支援室の設置と拡充
- 施工管理業務は、一般的に長期の施工期間の中で繁忙度が一定ということはありません。多忙な時期に業務分担し支援を行える要員を計画的に追加配置することにより、特定の社員が労働過多となることを回避することができます。現場支援室を設置し、技術職社員や事務職社員をプールすることにより、繁忙期が予想される現場を機動的に支援することで業務負荷の平準化効果が表れてきています。
- IoTツールの活用による生産性の向上
- 例えばBIMやVR技術を活用し設計から施工まで横断的で一体的な業務運用を推進するといったように、日々進歩する視認技術・通信技術・解析技術を積極的に取り入れ、施工現場の作業工数の低減・効率化を図り、社員の労働負荷の低減を目指しています。
- 勤務間インターバル制度の活用
- 2019年4月にインターバル制度を導入し、終業時間から8時間のインターバルを設けることで、長期間労働を行った社員の休息時間を確保しています。
- テレワーク制度の導入と拡充
- 2020年4月にテレワーク制度を導入し、その推進を図っています。
当社ではモバイルワークは過去から普及が進んでいましたが、今回在宅勤務とサテライトオフィス勤務に着目してルール整備を行い、制度化しました。特に社員の労働環境保全と情報管理を主眼にして働き方ルールを定め、引き続き効率的な就労環境を整えられるように制度改善を図ります。
生活習慣の改善
生活習慣の不適切さに起因するメタボリックシンドロームが、糖尿病・心臓病・脳疾患などの重篤な疾病発症の原因であり、この状況の改善を図っています。
- 特定保健指導受診率の向上
- 単なる受診勧奨を行うのではなく、特定保健指導を受けるべき要観察者の事情や考え方も理解しながら、個々の事情に合わせた対応を取り、ひとつひとつ受診率の向上を目指していきます。
- 血圧管理
- 血圧計の主要事業場への配布と血圧測定指導を実施し、社員の健康度の把握と社員の健康意識の向上を目指しています。
- 禁煙推進
- 禁煙を望む喫煙者に対し、禁煙外来指導と費用全額補助による禁煙実現の支援を行っています。
- 運動促進の支援
- 運動促進と血圧・睡眠・水分補給など健康全体に関わる保健指導に向け、2020年9月からウエアラブル端末使用の健康施策の試験導入を始めています。今後、要支援者を対象に日々の生活習慣向上に向けたプログラムの運用を本格的に実施し、生活習慣病リスクの低減を図っていきます。
- 自社植物工場栽培野菜の配布
- 完全人工光型自社工場で生産した無菌・無農薬の葉物野菜を社員対象に定期的配布しており、当事業理解の浸透とともに食からの健康意識向上に取り組んでいます。
各種健康施策の実施状況
項目 | 実施率・参加率 |
---|---|
禁煙キャンペーン | 6.5%(実施者/喫煙者) |
健康セミナー | 48.3%(参加者/全社員) |
生活習慣改善セミナー | 30.0%(参加者/全社員) |
2021年「健康セミナー」実施結果
社員の健康づくり目標と健康状態
2019年度 | 2020年度 | 2021年度目標 | |
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一般定期健診 | 100% | 100% | 100% |
特定保健指導実施率 | 16.0% | 25.0% | 40.0% |
精密検査受診率 | 29.4% | 47.2% | 55.0% |
適正体重維持率 | 57.2% | 57.2% | 60.0% |
喫煙率 | 31.3% | 28.9% | 27.0% |
運動習慣者比率 | 20.8% | 20.8% | 21.0% |
睡眠による十分な休養が取れている人 | 54.1% | 59.3% | 63.0% |
健全な食生活(朝食摂取率) | 65.0% | 64.7% | 65.0% |
血圧リスク者(140mmHg≧、90mmHg≧) | 15.3% | 16.1% | 15.0% |
血糖リスク者(200mg/dl≧) | 0.6% | 0.8% | 0.7% |
禁煙外来投資額 | 1,080,000円 | 1,881,000円 | 2,000,000円 |
一人あたりの年間医療費 | 135,000円 | 129,000円 | 125,000円 |
※一般定期診断、禁煙外来投資額、一人あたりの年間医療費 以外は40歳以上
メンタルヘルスの向上
メンタル不調に陥ると正常な業務遂行が困難となり、私生活にも大きな影響を与えることが考えられます。そうした不調の兆しのある社員を早期に見極め、その就労環境や人間関係を是正していくことが求められます。
また以下のような段階ごとのメンタル不調予防の措置を講じています。
- 一次予防:メンタルヘルス不調者の発生を未然に防ぐ取り組み
- 社内研修などにより社員の認識を高めています
- 二次予防:早期に発見し、迅速に適切に対応する取り組み
- 不調者の上司・部門長からの相談・連絡に対し適切な助言・指示を行い、必要に応じて社員との面談を行います
- 三次予防:病状を適切に把握・管理し病気の重症化を防ぐ取り組み
- 不調者発生の場合には、管理本部人事部が即時対応し、復職までフォロー・支援します
大気社グループの健康保険組合に健康・こころのオンライン「健康相談ダイヤル24」を開設し、社員や家族の心身の不安や悩みに、年中無休・24時間体制で経験豊かな医師、保健師、看護師、管理栄養士などの専門相談スタッフが素早く、的確にサポートしています。
また、改正労働安全衛生法によるストレスチェック制度導入と同時に、社員が自らの心の状況に向き合い対処できる機会を提供し、支援できる仕組みを整えています。外部機関を活用したストレスチェックの集団分析データから部署ごとにその職場の職務内容や社員構成内容に合わせて「職場改善プラン」を策定し、各部門長が推進責任者となって部門全体の職場環境の改善活動を行っています。
メンタルヘルスケア活動結果
項目 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度目標 |
---|---|---|---|
ストレスチェック受検率 | 97.2% | 97.1% | 97.5% |
高ストレス者率 | 8.9% | 7.3% | 7.0% |
生産性およびワークエンゲージメント
項目 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度目標 |
---|---|---|---|
アブセンティーズム損失 ※1 | 0.33% | 0.32% | 0.3% |
プレゼンティーズム損失 ※2 | - | 26.3% | 25.0% |
ワークエンゲージメント ※3 | 50.9 | 50.8 | 51.0 |
※1 生産性指標:年間の(総欠勤日数)/(全社員X就労日数) ※2 生産性指標:(東大1項目版) ※3 偏差値(平均は50):(ストレスチェック回答結果)
ワークライフバランス支援
社員やその家族の心身両面の健康増進を図るとともに、就業相談や健康相談、健康相談窓口を通じた医療機関の紹介など心身不調の予防と早期改善・回復を目指した対応を行っています。
心身健康の保持と不調者の早期回復を実現するため、当社の休暇・休業制度・柔軟な勤務制度の活用を促しています。
支援制度および有給休暇の取得実績
項目 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 |
---|---|---|---|
産休取得者数 | 3人 | 4人 | 2人 |
育休取得者数 | 4人 | 10人 | 13人 |
育児休業復職率 | 100% | 100% | 100% |
復職12カ月後の定着率 | 100% | 100% | 100% |
短時間勤務利用者数 | 23人 | 21人 | 23人 |
平均年次有給休暇取得日数 | 9.1日 | 10.3日 | 9.0日 |