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img img PROJECT STORY 01
Project story 01

海外案件の経験豊富なメンバーが集結。
成功のカギは「チーム力」。

インドネシアにおける
自動車工場の塗装設備新設
プロジェクト

東南アジア内でも屈指の自動車生産数を誇るインドネシア。今後さらに工場数が増加していくと予想されている。塗装システムの技術を磨いてきた大気社は、そうした自動車生産工場の数多くの塗装設備を開発している。今回のプロジェクトもまた、インドネシアに新たに設立される大型工場の事例の一つだ。20年近くにわたり海外の塗装システムプロジェクトを手掛けてきた橋本、野田、そしてロボット部門で活躍する棚谷に、本プロジェクトの軌跡について振り返ってもらった。

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    橋本 佳久さん
    2004年入社
    塗装システム事業部
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    野田 和宏さん
    2006年入社
    塗装システム事業部
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    棚谷 夕希さん
    2015年入社
    塗装システム事業部

大切にしていたのは、「全員が気持ちよく終えられるプロジェクトにする」という姿勢

橋本
今回のプロジェクトでは、既存の自動車工場の隣接地に、年間で14万台以上生産できる新たな大型工場を新設するというものでした。日本の工場より大きいのはもちろん、インドネシア内の工場と比較してもかなり大型だったため、本プロジェクトのプロジェクトマネージャーに選ばれた時は背筋が伸びましたね。入社2~3年目からずっと海外案件を担当してましたが、ここまで大型となるととても緊張したのが正直なところです。そんな中でも、関わるすべての人が気持ちよく終えられるプロジェクトにしようという姿勢は大切にしました。規模が大きい分イレギュラーなことも起きるだろうけど、暗い気持ちで進めたくないと思ったためです。
野田
そんな想いを持った橋本さんが全体指揮をとる中、私はアシスタントマネージャーとして本プロジェクトに参加しました。直前までインドに出向して工事以外の業務に携わっていたため、久しぶりに工事プロジェクトに参加できることになりワクワクしましたね。私が担当したアシスタントマネージャーとは、プロジェクトマネージャーのサポートをしていくことが主な役割です。現地のメンバーと職人さんをつないだり、スケジュールの確認をしたり、かなり細やかに動く必要があって大変なことも多かったですが、プロジェクトマネージャーの仕事を間近で学ぶことができ、とても良い経験を積むことができました。
棚谷
私は普段はオートメーション事業所でロボットシステムの開発を手掛けているため、今回はロボット部門のマネージャーとして参加しました。自動車のボディを塗装するロボットシステムの構築・実装が主な役割になります。本プロジェクトの前に、既存の工場のロボットシステム開発にも携わっていたので、ある程度お客さまとの関係性を構築した上で挑めたのが良かったですね。そして先ほど橋本さんが言っていたとおり、社内の各部署や現地とのやりとりにおいて、一人ひとりが快いコミュニケーションを心がけているのを肌で感じ、「これは良いプロジェクトになるぞ」と思いました。
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それぞれのプロフェッショナルの意見を、お互いに尊重しながら進めていった。

野田
海外プロジェクトは主に、日本のお客さまが海外に進出するための案件と海外のお客さまの案件に分かれるのですが、今回は後者だったため、担当者や職人さん含めて現地の方とのコミュニケーションが非常に多かったです。協力業者さんとのやりとりを現地の担当者にお願いすることもあったのですが、私たちのやり方を押し付けるのではなく、現地の考え方ややり方に任せたことが、プロジェクトをスムーズに進めることにつながりました。
棚谷
そうですね。逆にお客さまや現地の方が不慣れな領域については、こちらからアイデアを提案するなど、お互いの強みを活かしながら進めていくことができたと思います。例えば、塗装ロボットが使う塗料の無駄を減らして塗着効率を上げたいという要望があったのですが、お客さまとしては何を基準に判断すべきか悩まれていました。そこで何度も現地に足を運んでお客さまと一緒に議論し、どのような塗り方をすべきか提案し、丁寧にすり合わせていきました。結果、元々の塗装機よりも20%も塗着効率を上げることができ、工場の環境性能の向上にも貢献することができました。
橋本
お客さまや現地のメンバーと膝をつき合わせて、納得がいくまで何度も議論しましたよね。そうした一つひとつの折衝を妥協せずに行ったことが、今回のプロジェクトの成功に寄与したのではないかと思います。また、社内の設計部門や管理部門など多くの部署にも力を貸してもらいました。そうした社内の連携力の強さも、大気社ならではの強みだと思いますね。
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今回のプロジェクトでの学びを、未来につなげていくことが使命。

橋本
2024年6月に工事が終わり、現在は試運転を行っています。大規模な修正はなく、微調整のみで無事に完了できそうでホッとしています。プロジェクトを進めている中、世界的な半導体不足が起きていた影響で、機器の手配が遅れるかもしれないといったイレギュラーな事態もありましたが、大気社のグローバルネットワークを駆使して他の国から機器を取り寄せ、最終的にはスケジュールどおり完了することができました。他にも予想もしなかった事態に見舞われることは多々ありましたが、部署や立場関係なく皆で協力して乗り越えられたことも誇りに思います。
棚谷
「全員が気持ちよく終えられるプロジェクトにする」という目標を見事に達成されましたよね。橋本さんがプロジェクトマネージャーを務めてくれたからこそだと思います。絶対に失敗できないというプレッシャーはありましたが、現場は常に笑顔が絶えず、楽しみながら取り組むことができました。今回のプロジェクトでは、日本で開発した設備やシステムをインドネシアに運ぶというかたちで進めていきましたが、今後は、ナショナルスタッフの方々が自分たちで開発していけるように、技術教育にも携わりたいと考えています。
野田
なかなか思うように進まず頭を抱えることもありましたが、スケジュールが遅れそうになるたびに優先順位をつけ直し、できるところから着手していった結果、ここまで来れてとても安心しています。イレギュラーなことが起きても迅速に対応できたのは、過去の海外プロジェクトでの経験があってこそだと思います。これまでの経験がきちんと今に活かされているなと嬉しくなりましたね。今回は省エネ設備のさまざまな知識を学んだため、次のプロジェクトに活かしていきたいです。
橋本
二人が言ったように、本プロジェクトを次に活かしていくことが私たちの使命だと思います。大気社が今まで以上に世界で活躍する企業になれるよう、今回の成功例を世の中に発信し、海外のお客さまへのアプローチを行っていきたいと考えています。
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