植物工場

世界で唯一の結球レタスの安定量産化技術も確立しています

当社は、コア技術である空調制御技術を生かして、完全人工光型植物工場事業の研究・開発に取り組んでいます。

私たちの食卓や生活を支える農業は、今日、異常気象や自然災害、安定供給の難しさ、農業従事人口の減少、高齢化、安全性確保の問題など、多くの問題を抱えています。こうした中、季節や天候などに左右されずに栽培でき、生産量や価格が安定している野菜工場に注目が集まっています。特に、安定した調達を必要とする業務用分野において、植物工場産の野菜を調達先の一つとして選択することが増えており、今後の市場の活性化が期待されています。

当社が手がける完全人工光型植物工場とは、空調された密閉空間において太陽光の代わりにLEDを使用し、土を使わず培養液による水耕栽培を行うシステムで、レタスなどの葉物野菜の栽培に適しています。従来の露地栽培に比べ、年間を通して計画的・安定的な供給が可能、外気を遮断した密閉空間で栽培しているため、無農薬かつ異物混入のリスクが非常に小さく安心・安全、生菌数が非常に少なく害虫も混入しにくいため、劣化の少ない、つまり日持ちの良い野菜が栽培できるなどといった特長があります。廃棄物の点でも、土を使わないため可食部分が多く、食物ロスの削減にもつながります。

栽培期間中(播種から収穫までの期間)に農薬を使用していません。
完全閉鎖の工場内で栽培するため、外部からの農薬の混入の心配はありません。

完全人工光型植物工場の栽培エリアは高さのある密閉された空間であり、従来の設備では空間の上部と下部に温度ムラが生じ、野菜の生育に影響し歩留まりが低くなってしまうことが課題となっていました。しかし、当社では、産業空調分野で培った空調技術を生かして空間を均一の温度に調整することにより、高い歩留まりを実現しています。また、これまで不可能と言われてきた完全人工光型植物工場での結球レタスの安定量産化技術も確立しています。

上記に加え、今後、温暖化の進行により干ばつや冠水が増え農業の収率が下がり、食料の安定供給に影響が及ぶ懸念もある中で、工場での野菜生産は、気候変動の影響を回避・軽減する「適応」の取り組みとしても有効と考えています。