塗装システム
排気処理や気流制御など、産業空調分野で培ったコア技術を生かし、自動車塗装プラントの設計・施工を手がけています。事業展開の歴史は厚く、1960年代までさかのぼります。今日、高い塗装品質と環境負荷低減技術を調和させた当社の自動車塗装プラントは、世界トップクラスの売上高を誇り、日本国内だけでなく世界各国の自動車メーカーで多く導入されています。
車体の塗装を美しく仕上げるためには、最適な温度・湿度や、ごく小さなホコリさえもシャットアウトする高いレベルの清浄度を保つ必要性があり、そのため、自動車の塗装ブースにはクリーンルーム技術が生かされています。また、車体に塗料を塗装する際に付着しなかった塗料のミストを、拡散させることなくすみやかに除去するため、空気の流れのコントロールも極めて重要です。
一方で、自動車という大きな被装物を塗装することから、塗装工程においては、空調に多くのエネルギーを要し、省エネルギーと環境負荷低減の追求が、最大のテーマとなっています。当社においては、たとえば、ブースの風量や乾燥炉の温度を抑え、使用するエネルギーの低減を図る、高温排気ガスの温度再利用や電着槽の改良による節電を行う、さらに塗料の塗着効率向上による有害なVOCの低減を図るなど、さまざまな環境技術を駆使し、お客さまのニーズと社会の要請にお応えしています。
自動車塗装は、美しく仕上げるために何度も重ね塗りをしています。塗装工程は以下のようなフローから成り立っています。
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前処理
塗装する前工程として、塗装不良要因の大部分を占めるボディ表面の鉄粉やゴミを除去し、さらに塗料の密着性を向上させるための薬品による特殊表面処理を施す工程です。
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電着塗装
下塗りとして、自動車の錆を防ぐために防錆塗料を塗装する工程です。
自動車のボディを塗料のプールに浸し、プールに直流電流を流すことにより、短時間でムラなく、均一の厚さに塗装することが可能です。塗装したあとに乾燥炉で塗料を乾燥させ塗膜にします。 -
中塗り
車体の色がより美しく見えるようにするための塗料を塗装する工程です。 塗料を塗ったあとは、乾燥炉で塗料を乾かすことで塗膜にします。
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上塗り
電着塗装、中塗りを終えた自動車に、車体の色を表す塗料で塗装する工程です。
中塗りと同様に、塗料を塗ったあとには、乾燥炉で塗料を乾かすことで塗膜にします。
近年では、自動車塗装で培った技術をもとに、航空機や鉄道車両の塗装にも取り組んでいます。