産業空調設備

クリーンルームなど"モノづくり"にとって最適な空調設備の設計・施工を行っています

空調設備は、人々の暮らしだけでなく、モノづくりの現場にも欠かせません。当社では、電気・電子部品、化学製品、医薬品、食品、印刷など、さまざまな分野の生産工場や研究施設で、モノづくりにとって最適な環境をつくる空調設備を設計・施工しています。

歴史的に見ても、当社はこの分野に強みがあります。日本の紡績産業が伸長した1930年代、大きな紡績工場の工事を次々と手がけ、そこで培った経験と最新技術の追求により、1960年代には、レベルの高い空調技術が要求される合繊工場空調でも実績を拡大。この時代から、当社は「産業空調の大気社」との呼び名を得るようになりました。その後、繊維産業に加え、カメラ、フィルム、医薬品、電子などさまざまな分野で工場建設が進み、製品不良を防ぐために高い清浄度を維持できる空調設備が求められるなか、当社はこれらのニーズに応える形で精密空調、そしてクリーンルームへと技術力を高めていきました。

モノづくりの現場では、絶対条件である製品の品質・有効性・安全性の確保のため、温度や湿度はもちろん、浮遊する微粒子や微生物を厳しく管理し、清浄度を一定に保つことが非常に重要です。
たとえば医薬品分野では、製造プロセスごとに規定される清浄度を維持するため、さまざまな対策を講じるとともに、製造室・エリアの間に圧力逆転による交叉汚染が生じないよう、空気の流れ方向をコントロールする高度な室圧制御技術を活用しています。また、電気・電子部品分野においても、微粒子の付着が製品の品質や生産効率に影響を及ぼすことから、歩留まり(原材料を投入した量に対して、実際に得ることができた生産数量)を高めるため、微粒子の流入を防いでいます。
反面、こうした厳しい条件が求められるクリーンルームにおいては、大量の空気を循環させることで、電力を莫大に消費してしまうという側面もあります。そのため、当社では、固有の環境負荷低減技術を用いてエネルギーを最適にコントロールし、クリーンな環境の確保と省エネルギー化の両立に努めています。

また、当社は長年、自動車塗装に取り組んできた経験を生かし、揮発性有機化合物(VOC)を無害化する排気処理装置の開発にも取り組んできました。VOCは、自動車塗装や印刷などの製造工程で溶剤として幅広く使用されていますが、大気汚染、臭気などによる周辺環境の影響や、工場での作業従事者の健康への影響などが懸念されています。排気処理装置を設置することで工場から排出されるVOCを無害化し、クリーンな状態で大気に排出できれば、大気汚染防止にも大いに貢献することができます。近年、環境規制の強化が進む中国をはじめ、海外からの引き合いも増えています。当社では、排気処理装置のさらなる省エネルギー化にも取り組んでいます。

施設用途 電気・電子・機械製造工場、食品・水産工場、印刷・出版・製紙工場、自動車・鉄道車両・航空機製造工場、化学・薬品・繊維工場