低炭素化への取り組み

環境システム事業

環境システム事業では、持続可能な社会への貢献と事業成長の両立を目指し、設計段階からエネルギー消費とCO2排出の削減を織り込む「環境配慮設計」を推進しています。設備仕様やシステム構成、制御方式など設計初期の意思決定が運用時の環境負荷を左右することから、省エネルギー提案を設計プロセスに組み込み、提案の質と量の両面で活動を強化しています。温室効果ガス排出削減目標についてはSBTi認定を取得しており、顧客のCO2排出量低減への貢献と自社の排出削減を両輪で進めています。

設備のエネルギー使用状況を分析・可視化する省エネ診断を起点に、更新計画や運用条件、投資効果を踏まえた最適な省エネルギー対策を提案しています。さらに、AIやIoTなどを活用した空調設備の高効率化と最適制御を設計・施工に反映し、導入後は運用効果を検証して改善につなげることで、継続的な省エネルギー化を実現しています。

2025年度の国内実績は、省エネルギー提案件数138件、提案によるCO2削減量は48,043t-CO2となりました。さらに、スコープ3カテゴリ11に相当する削減提案量は、15年間の運用効果換算で累計約72万t-CO2に達し、顧客の長期的な排出削減に貢献しています。一方、CO2削減率においては、加重平均25%を目標に活動を推進してきましたが、17.5%に留まりました。今後は、基本計画・基本設計段階から省エネルギー提案を織り込むとともに、標準提案メニューの拡充や社内ナレッジの活用を進め、提案品質と削減率の向上を図ります。
また、2024年からは工場排水リサイクル技術の開発・実証にも取り組み、水資源の有効活用と環境負荷低減を進めています。

今後も、AIによる負荷予測を活用した熱源最適化やEMSによるエネルギーの見える化を推進していきます。開発中のスマートファクトリー向けEMS「TIESA」では、省エネルギーと安定稼働を両立し、保守の省力化や予兆保全を実現します。こうした自社開発技術の提案・採用を加速し、エネルギーコスト低減と快適性・生産性の向上を両立する環境価値の提供を強化していきます。

塗装システム事業

塗装システム事業では、当社技術によるCO2削減効果を可視化する目的で、2000年より自動車塗装ラインのエネルギー試算モデルをもとに、自動車塗装1台あたりのCO2排出量を試算し、客観的に評価しています。算定に用いる前提条件は毎年見直し、比較可能性を確保しています。

2005年度の試算モデルでのCO2排出量は160.1kg-CO2/台でしたが、これまでヒートポンプ技術や高効率機器の導入、ドライ式塗装ブースなど、CO2削減に寄与する技術提案を行ってきました。2020年度以降は技術革新の基本方針に3本の柱を掲げ、各施策に優先順位を付け、取り組みを進めています。

まずは第一の柱として、リーンな生産工程実現に向けて塗着効率の向上と、正味エネルギー工程となるスマートファクトリー化を目指しています。実現に向けては、「グリーンテクノロジー」と「ロボティクスオートメーション」に先端技術を掛け合わせて価値を提供したい考えです。具体的には、塗装の高塗着化、塗装ブースの少風量化や、VOC処理機能付き間接炉、間接業務を含めた自動化技術などの開発・改良の提案を行っています。近年では、DXの推進としてAI技術を活用した生産状態の解析システムにより、生産ロスの極小化を目指し、さらなるCO2排出量の削減を推進しています。その結果、2025年度の試算モデルでは目標の49.4kg-CO2/台を達成しました。

また、エネルギーを必要最小限かつ再生可能なものに転換するための第二の柱として、塗装設備の再生エネルギー電気利用(オール電化)、水素エネルギーの利用、さらには塗装代替技術開発を第三の柱として、ドライ加飾システムの技術開発などを推進しています。

今後は、2050年のCO2排出量実質ゼロ化という世界的な目標に対し、目標を前倒しする形で、2035年度でのCO2排出量の実質ゼロ化を目指していきます。これには、供給電源の再生エネルギー化も含まれており、調達手段の確保とトレーサビリティの担保も前提です。なお2030年には、2035年からバックキャストする形で、40kg-CO2/台の達成を目標として設定しています。