快適性と省エネルギーを両立する、置換空調方式吹出口「AIREL(エアレル)」を開発

  • リリース
  • 2026.04.21

株式会社大気社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:長田 雅士、以下、大気社)は、空気の密度差により温度成層を形成する置換空調方式を用い、快適性と省エネルギーの両立を目指した吹出口「AIREL(エアレル)」(以下、AIREL)を開発しました。

AIRELは、室内上部の暖かい空気を誘引し、室内へ給気する冷たい空気と混合して吹き出す独自の構造により、ドラフト※1の抑制と必要送風量の低減を両立します。これにより搬送動力を抑え、エネルギー使用量の削減に寄与します。

  • 1
    人体に当たると不快感を与える冷風のこと。

製品イメージ

開発の背景

カーボンニュートラルの要請が高まる中、室内で活動する作業者の快適性や室内空気質を確保しつつ、従来以上の省エネルギー性能を備えた空調システムへのニーズが高まっています。さらに室内に設置する装置や機器の高性能化に伴い発熱量が増加する中でも、安定した室内環境を維持することが求められています。

近年、こうしたニーズに応える空調方式として、人や生産設備などが存在する領域へ新鮮な空気を効率的に供給し、天井から汚れた暖かい空気を排出する「置換空調(成層空調)方式」が注目されています。しかし、置換空調方式では、室内の温度ムラやドラフトが発生するケースがみられ、建物への実導入にあたっての課題とされてきました。

大気社は、これらのニーズと課題をふまえて、当社が長年培ってきた空調制御技術を生かし、置換空調方式をより実用的に導入できる吹出口の開発に着手しました。

置換空調方式とは

室内の空調方式には、空気をかき混ぜて室内全体の状態を均一にする混合空調方式と、空気の流れを利用して天井から汚れた空気を排出する置換空調方式があります。

混合空調方式と置換空調方式の比較
SA:Supply Air(室内への給気) RA:Return Air(室内からの還気)

  • 混合空調方式:一般的な空調で用いられる空調方式であり、室内に送られた新鮮な空気と室内の空気をかき混ぜることで室内全体の温度や空気の汚れの程度を均一にします。
  • 置換空調方式:床付近から新鮮な空気をゆっくり送り込み人や機器から出る熱によって生じる上昇気流を利用して、室内上部に集まった汚れた空気を天井付近から排出する空調方式です。混合空調方式と比べて、人が過ごす空間を中心に効率よく空調でき、エネルギー使用量を抑えることができるというメリットがあります。

AIRELの特長

  • 吹出温度を高めてドラフトを抑制

    AIRELは、吹出口内で室内上部の暖かい空気を取り込み、空調機からの冷たい空気と混ぜてから 室内へ送る独自の構造を採用しています。これにより吹出温度を適温に整え、居住域の冷気感を抑えます。さらに、空調機の給気温度を低めにしても快適性を保てるため、必要な風量を減らし、省エネルギーにもつながります。

  • 空調機の搬送動力低減による省エネルギーを実現

    AIRELは、吹出口内で室内上部の暖かい空気を最大4割取り込み、空調機からの冷たい空気と混ぜて適温の空気として室内へ送ります。
    これにより、従来の置換空調方式よりも空調機からの給気風量をさらに抑えることができ、送風(搬送)動力の低減により、省エネルギーに貢献します。シミュレーションの結果、AIRELは混合空調方式と比べてエネルギー消費量を約20%削減、従来の置換空調方式と比べてもさらに約5%の削減が見込まれます。

    従来の空調方式との比較

  • 運転コストの低減

    AIRELは人や生産設備などが存在する領域のみを効率的に空調することができるため、一般的な空調と比較して運転コストを抑えることができます。

  • 前方・左右に均等に広がる気流設計

    AIRELは半円柱状のダクトと放射状のノズルを採用しており、前方と左右に均等な気流を実現します。そのため、機器や装置などの背後にも回り込むことができます。

想定仕様

製品名 AIREL(エアレル)
寸法 幅900mm×奥行450mm×高さ2,300mm
重量 200kg
風量 3,000㎥/h
風速 吹き出し口から0.5mの距離で1.0m/s以下
気流騒音 オーバーオール値で60dB以下
  • 本製品は現在開発中であり、仕様・デザイン・発売時期・量産の有無を含めて、今後変更となる可能性があります。

今後の展開

製品化・量産化および発売時期については、決定次第あらためてお知らせします。 また、現時点では、体育館やアトリウム、高発熱生産工場などでの適用を想定していますが、将来的にはクリーンルームでの適用も目指してまいります。あわせて、半導体や電子部品、二次電池製造分野への展開を目指してまいります。

なお、2026年5月5日(火)から7日(木)にマレーシア・クアラルンプールで開催される「SEMICON Southeast Asia 2026」の当社ブースにおいてAIRELのデモ機を展示いたします。スタッフ一同、皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げております。

本件に関する報道機関からの
お問い合わせ先
株式会社大気社 経営企画本部 広報・サステナビリティ推進課
TEL:03-5338-5052  FAX:03-5338-5195
E-mail: mailmast@taikisha.co.jp