大気社、蓄電池製造設備産業の強化を目指す共同事業 「Swiftfab」へ参画

株式会社大気社（本社：東京都新宿区、代表取締役社長：長田 雅士、以下、当社）は、一般社団法人電池サプライチェーン協議会（Battery Association for Supply Chain、略称：BASC、以下、BASC）に加盟する設備関連企業8社とともに、蓄電池製造設備産業の強化に向け、共同事業体「Swiftfab Energy Systems株式会社（仮称、以下、当共同事業体）」の設立に合意しました。

当共同事業体は、BASCのタスクフォース活動を起点として生まれた、産業横断型の共同プロジェクト「Swiftfab」を推進するために設立されるものです。

BASCは、電池サプライチェーン全体の健全な発展を目指し、電池材料・設備・製造・サービスなど幅広い分野から244社（2025年11月時点）が参画する電池業界団体です。脱炭素社会（GX）・デジタル社会（DX）の実現に不可欠な電池産業の競争力強化に向け、経済産業省が策定する蓄電池産業戦略と連動し、個社単独では解決が困難な共通課題に対し、業界全体で迅速に取り組む活動を進めています。

当社は、これまで多くの電池製造工場において空調システムの設計・施工を手がけ、最適な製造環境の構築に貢献してまいりましたが、電池製造装置や製造環境に関する知見を深めるべく、2024年よりBASCに加盟しております。

「Swiftfab」事業は、日本国内の蓄電池の安定供給体制の強化、および蓄電池産業戦略の実現に貢献すべく、さまざまな分野のBASC会員企業が参画し、それぞれの強みを結集・連携して産業横断型の製造プラットフォーム構築を推進する、業界初の先進モデルです。企業単独の最適化ではなく、産業界全体の全体最適で基盤を築くことを目的としています。

「Swiftfab」事業では、建屋・設備・生産装置・システムを一体で設計・開発し、蓄電池製造ラインとして統合したソリューションを共同で構築・展開することで、圧倒的な短期間・低コストでありながら、高品質を高次元で両立できる電池製造拠点の提供実現を目指します。また、本事業で得られた成果は、今後BASC会員企業にも順次開放し、「共創型産業インフラ」として拡張していく予定です。

当社は「Swiftfab」において、環境配慮型の局所化したクリーンルーム、建屋・生産設備・ユーティリティ一体型のモジュール工法の開発などを担当します。

近年、カーボンニュートラルの実現に向けて、蓄電池の需要は世界的に増加傾向にあります。たとえばモビリティ分野では、EV化の進展に伴い、車載バッテリー需要が拡大しています。一方で、日本国内における生産規模の拡大には依然として多くのコストや期間を要しており、こうした課題を克服し世界における日系メーカーの競争力を高めるためには、「電池設備産業の構造変革」が急務となっています。今回の取り組みは、まさにその構造変革に向けた大きな一歩であり、日本の蓄電池産業が国際競争力を強化し、新たな産業モデルを世界に示す挑戦でもあります。

こうした状況を踏まえ、当社は、これまで産業空調や自動車塗装プラントなどの分野で培ってきた技術やノウハウを活かし、関係各社とともに新たな電池製造プラットフォームの構築に取り組むことといたしました。最適な製造環境の実現や、製造工程の自動化・効率化、リスク低減に資する工法の開発など、これまでの経験を応用しながら、業界全体の発展に貢献できるよう努めてまいります。

「Swiftfab」が掲げる「建屋・設備・生産装置・システムを統合した電池製造ライン」という革新的なコンセプトは、電池製造の効率化や柔軟性向上にとどまらず、産業全体の持続可能な発展にも寄与するものと確信しています。

今後は、当共同事業体の参画企業と連携しながら、次世代の電池工場モデルの実現に向けて取り組み、蓄電池産業のさらなる発展に貢献してまいります。また、本プロジェクトへの参画を通じて、電池製造設備に関する知見をさらに深め、今後の事業活動にも活かしていきたいと考えています。