アドマットC・アドマットZ

VOC除去技術|濃縮部

大気社の技術

VOC除去技術とは?

大気社は、各種の排ガス処理・集じん装置や排水処理システムまで、広い範囲にわたる環境保護装置をご提供しています。ここでは、各種工場から排出される有機ガスを処理するための排気処理システムをご紹介します。

濃縮部とは?

  • 揮発性有機化合物の濃縮を目的に、吸着脱着させる技術。
  • 回転速度・風速を可変させた最適運転状態を事前学習する技術。

こんな課題を解決できます

  • 大気汚染を防止したい
  • CO2の削減・エネルギー効率を高めたい
  • 限られた空間をうまく使いたい

アドマットC(吸着材:繊維状活性炭)

概要

塗装、印刷、半導体、電子部品、精密機械、化学・薬品工場などから排出される有機溶剤、洗浄溶剤や悪臭ガスを、吸着材により浄化するシステムです。
吸着材には繊維状活性炭を用いています。

アドマットC(吸着材:繊維状活性炭)

受賞履歴

  • 日本機械工業連合会 第19回(1998年度)優秀 省エネルギー機器表彰 会長賞受賞
  • 日本ガス協会 1998年度 技術賞受賞

特長

  • イニシャルコストとランニングコストが安い

    活性炭使用量が従来の吸着装置に比べて少なく、イニシャルコストが安くなっています。
    また吸着体の繊維状活性炭は複雑な二次加工がないため安価で、吸着体の交換コストも従来の装置の1/2~1/3ですみます。

  • 省エネルギー、省スペースのシステム

    熱容量の小さい活性炭だけを加熱しますので、再生用熱風エネルギーは、全量が効率よく脱着に使われ、高い濃縮倍率が得られます。
    また濃縮部・後処理部ともに小さく、軽量です。

  • 小風量から大風に対応

    低濃度で小風量の排気から大風量の排気まで、幅広い排ガス処理に対応できます。
    カセットの増減によっても、風量の変動に対応できます。

  • 安全な運転

    活性炭使用量が少ないため吸着状態の溶剤量も少なく、安全にご使用いただけます。

仕様

アドマットCの構造

アドマットCの吸着体は、繊維状活性炭をフェルト状に加工したマットを使用しています。
このマットを円筒状の金網に巻き、カセット(図-2)にして、ロータに取り付けます。ロータはゆっくり回転しながら、吸着・脱着を連続的に、かつ同時に行います。吸着は、図-3aのように未処理ガスがカセットの外側から内側に通過するときに行われ、脱着(再生)は図-3bのようにカセットの内側から外側に向かって、熱風を通過させることによって行われます。
吸着から脱着への変換は、図-1のように脱着ゾーンが決められていて、カセットがロータの最上部に来たときに行われます。脱着した溶剤は、キャタバーン®、RTOなどの後処理装置で脱臭などの最終処理し、無害化します。

図-1 アドマットC(濃縮部)

図-2 カセット

アドマットCの性能

アドマットCの処理効率は、処理ガスの種類や濃度により異なりますが、図-4はその一例です。

低濃度のガスを高倍率に濃縮して、高い処理効率を達成します。
アドマットCの濃縮部の空気抵抗(圧力損失)は図-5のように極めて低いため、装置の小型軽量化と送風機動力の節減に寄与します。

図-4 排ガス処理効率

図-5 アドマットCの圧力損失

VOC処理システムの構成

発生源によって異なりますが、原ガスにミストや粉塵を含む場合には、前処理装置でミストや粉塵を除去します。
次いでアドマットCで原ガスに含まれるVOCを吸着し原ガスを清浄な処理済ガスとして、大気中に放出します。吸着したVOCは、少量の熱風で脱着され濃縮ガスとなります。
濃縮ガスは、後処理装置で溶剤を回収するか、酸化分解(直燃・触燃)によって無害化されます。
酸化分解方式のときは、その廃熱を脱着熱風の熱源に利用します。

VOC処理システム(アドマットC)のフロー図

適応業種

アドマットCは下表のような業種で有効に活用できます。

左右にスワイプ可能です

適応工場 主な適応工程・目的 対象物質
塗装工場 塗装ブース排気、作業環境改善 塗料シンナー
印刷工場 乾燥炉排気、印刷機周辺の局所排気 インキ用シンナー
化学工場 有機溶剤使用工程排気、洗浄工程排気 有機溶剤
食品工場 製造工程排気、作業環境改善 アルコールなど
半導体工場 洗浄工程排気、レジスト塗布工程排気 有機溶剤
電子部品工場 洗浄工程排気 有機溶剤
医薬品工場 原料製造排気 有機溶剤
産業機械工場 塗装工程排気、接着工程排気、洗浄工程排気 塗料シンナー
その他 作業改善、工場環境改善 溶剤

アドマットZ(吸着材:疎水性合成ゼオライト)

概要

塗装、印刷、半導体、電子部品、精密機械、化学・薬品工場などから排出される有機溶剤、洗浄溶剤や悪臭ガスを、吸着材により浄化するシステムです。吸着材に疎水性合成ゼオライトを用いたタイプです。

アドマットZ(吸着材:疎水性合成ゼオライト)

特長

  • 多様なVOCを処理可能

    活性炭では使用に制限や問題があったVOCに対しても濃縮処理が可能となります。

  • 高温再生が可能

    ロータに不燃性・高耐熱性に優れた疎水性ゼオライトを使用しています。このため、高温での再生が可能となり、高沸点VOCも処理できます。

  • 幅広い濃縮倍率に対応

    低い濃縮倍率(およそ15倍程度まで)の場合はダクト系のシンプルな標準型で対応します。 さらに、高い濃縮倍率が必要な場合はダクト系(再生循環、パージ抽気)を追加した高濃縮型で対応します。高濃縮型ではVOCの種類によりますが、30倍以上の高濃縮が可能です。

仕様

アドマットZの構造

アドマットZは、疎水性ゼオライトを担持させたハニカムロータを使用しています。 ロータは3つの領域(処理セクタ、再生セクタ、パージセクタ)に区分されており、ゆっくり回転しながら、吸着・脱着・冷却を連続的に、繰返し行います(図-6)。原ガス(生産工程の排気)に含まれるVOCは処理セクタを通過する時にロータに吸着されます。処理セクタを通過した原ガスは、清浄な処理済ガスとして大気中に放出されます。

処理セクタで吸着されたVOCは再生セクタで少量高温(約180℃)の熱風によって脱着されます。熱風は少量なので脱着されたVOCにより、高濃度小風量の濃縮排気となります。濃縮排気は後工程の燃焼装置などで処理されます。

再生セクタで脱着されたロータは再びVOCを吸着できるようになりますが、再生直後はロータが高温になっているため、脱着が十分でも吸着能力は低くなっています。そのため、再生セクタの後に、低温空気によってロータを冷やすパージセクタを設けています。パージセクタで冷やされたロータは再び処理セクタでVOCを吸着することができます。
高い濃縮倍率が要求される場合は、再生とパージを十分に行えるように、ロータ周囲のダクト系に再生循環とパージ抽気の系統を追加した高濃縮型で対応します(図-7)。

図-6 標準型アドマットZ

図-7 高濃縮型アドマットZ

アドマットZ(高濃縮型)の性能

アドマットZの処理効率は処理ガスの種類、濃度により異なります(図-8)。低濃度の原ガスを高い処理効率を保ちながら、高い濃縮倍率を達成します。

図-8 高濃縮型アドマットZの処理効率

VOC処理システムの構成

発生源によって異なりますが、原ガスにミストや粉塵を含む場合には、前処理装置でミストや粉塵を除去します。
次いで、アドマットZで原ガスに含まれるVOCを吸着し、原ガスを清浄な処理ガスとして、大気中に放出します。吸着したVOCは少量の熱風で脱着され濃縮ガスとなります。
濃縮ガスは、後処理装置で溶剤を回収するか、酸化分解(直燃・触燃)によって無害化されます。
酸化分解方式のときは、その廃熱を脱着熱風の熱源に利用します。

VOC処理システム(アドマットZ)のフロー図

標準型アドマットZ

高濃縮型アドマットZ

適応業種

アドマットZは下表のような業種で有効に活用できます。

左右にスワイプ可能です

適応工場 主な適応工程・目的 対象物質
塗装工場 塗装ブース排気、作業環境改善 塗料シンナー
印刷工場 乾燥炉排気、印刷機周辺の局所排気 インキ用シンナー
化学工場 有機溶剤使用工程排気、洗浄工程排気 有機溶剤
食品工場 製造工程排気、作業環境改善 アルコールなど
半導体工場 洗浄工程排気、レジスト塗布工程排気 有機溶剤
電子部品工場 洗浄工程排気 有機溶剤
医薬品工場 原料製造排気 有機溶剤
産業機械工場 塗装工程排気、接着工程排気、洗浄工程排気 塗料シンナー
その他 作業改善、工場環境改善 溶剤